棚守房顕覚書132 宝蔵の目録のこと

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棚守房顕覚書132 宝蔵の目録のこと

一つ、当社の旧例、新御神事などの目録などは宝蔵にあります。そのほか、年中の祭礼の次第、折節の御神事、装束の次第、いずれも書記し、宝蔵にこれはあります。末の代にはこの目録取り出して被見すべきものです。

神事の宝蔵に目録が?

厳島神社の古くからの神事や新しい神事は目録にして宝蔵に収めていると棚守房顕は述べています。他にも祭礼の手順や神事の様子、衣装の様子なども目録にして宝蔵にあり、今後はそれを取り出して見ることになります。

これ、ことは単純な話じゃないんですよ。
宝蔵にあるものは、誰でも取り出せるものではありません。宝蔵から取り出す時はクジを引いて、当たりを引かないといけない。一応「神慮」…神の意志を計らないといけない。実質、クジなんて棚守の意思でどうとでもできるものです。そんな棚守の管轄内の宝蔵に目録を入れると言うことは、今後はすべての神事は棚守が管理するという意味なのです。たかだか宝蔵の管理人たる「棚守」ごときが、神主よりも権力を持つってことなんですよね。
●すでに宮島の寺社関係者の給料は棚守房顕が毛利から一旦もらった後に渡すことになっています。これで「金」と「儀式」を棚守が把握していることになります。ほぼ完全な支配者と言っていいでしょうね。
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