アシ山

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アシ山

まとめ
●木比屋谷と東町の端にアシ山という場所があった。
●宮島内で女性が生理になったときにここで血の穢れがなくなるまで待った。
●アシ山は厳島神社の領域の外側にあった。

アシ山

アシ山は宮島の新町・西蓮町の近くと経ノ尾(清盛塚・経塚のある山)の近くの木比屋谷にあったもので、宮島の中に住む女性が生理になった時に血の穢れを避けるために退避する小屋があった。
アシ山の意味
アシ山の「アシ」の意味については「悪し」とも言われるんですが、伊勢神宮の斎宮が使っていた「言い換え」の「アセ」が転訛したのだと思われます。
伊勢神宮では穢れを嫌って、穢れを意味する言葉の言い換えをしていました。例えば「病」を「ヤスミ(休み)」、死を「ナオル(治る)」としました。
●伊勢神宮では仏教も穢れたものとしました。なので僧侶を髪長(カミナガ)、尼を「女髪長」、寺を「瓦葺き」、仏塔を「アララギ(アララギは本来はネギのこと)などと言い換えた。」

で、「血」のことを「アセ(汗)」と言い換えました。血という言葉は口にするのも憚れたわけです。宮島のこの理屈を取り入れたのでしょう。「アセ山」と呼んでいたものがアシ山になっていったよう。

歴史的な経緯

アシ山という呼ばれ方をするのは江戸時代以降で、戦国時代は「奥山」の「イマレ(小屋)」で生理の穢れが消えるまで待っていました。それが伊勢風の「アセ」という言い方をするようになったのは、江戸時代の後期に国学が発展して、伊勢風の言い方の方がかっこいいとなって取り入れたからじゃないかと(個人的に)思っています。
●戦国時代の棚守房顕覚書の中には血の穢れの対処についてかなり細かく書いてあります。

アシ山の意味

宮島の木比屋谷公園のあたりと、新町徳寿寺の近くにアシ山があったのは、この辺りが「厳島神社の領域の外側」という感覚があったからです。つまり厳島神社は宮島全体を「領域」としていたわけではないってことです。
●現在の宮島は島全体が神の島というのは明治維新の廃仏毀釈の流れの結果です。

アシ山の存在は厳島神社の領域が入江の浜を中心として限られた場所ということで穢れてはいけないと考えられていて、山の中は「異界」という感覚があったのですね。

ちなみに、新町には風俗店があり遊女がいました。この遊女は生理になってもアシ山に篭ることが許されておらず、生理になると地御前神社の近くの似たような小屋(宿院)に篭って穢れがなくなるのを待っていました。

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