五重塔(宮島・厳島)

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五重塔の概要

千畳閣の横にある五重塔。現在は厳島神社の境内の建築物だが、元々は大願寺の管轄だった。
大きさ高さ27.6m。幅3.6m。
建築様式桧皮葺。和様(日本の様式)・唐様(中国の様式)を混ぜている。外からは見えないが内部には絵(仏教絵画)が書かれている。天井には龍と葡萄唐草の模様。壁には迦陵嚬伽(上半身が人で下半身が鳥の生き物・極楽に住む)や鳳凰の絵が書かれています。

塔の中心には心柱があるのですが、これが2層目で止まっていて、それで強風や地震の揺れを分散させています。これらの構造の原理が日本の高層建築物(例えばスカイツリー)の構造の参考になっています。

創建1407年(室町時代)。1533年に修理。
ちなみに千畳閣は1587年だから、比べるとこちらの方がかなり古い。

この五重塔の土台となっているのが塔の岡
明治維新後に神仏分離で、横にある千畳閣は豊臣秀吉を祀る豊国神社厳島神社摂社)になり、五重塔はその厳島神社の境内内の施設になりました。それ以前(江戸時代)は仏教施設。
●現在でも内部には空海などの仏教壁がある。非公開。
●神社に五重塔という仏教施設が寄進されるのは珍しいことではない(神仏習合のため)。
●全体がすんごく赤いのは、昭和20年代に塗装したため。それ以前からも赤かった。
●一層の柱16本には、寄進者の…つまり建造に当たって寄付した人の名前が書かれています。この16本のうち14本が女性の名前。

アクセス

五重塔にはかつて仏像があった

中の仏像は大願寺
廃仏毀釈で仏教要素を排斥することになり、五重塔の中にあった仏像(釈迦如来像・普賢菩薩像・文殊菩薩像)は現在は、大願寺へと移設しています。仏像を移設したから、五重塔は仏教施設ではなく厳島神社の施設ということになったわけです。

いやいや、見た目は赤いし、完全な仏教施設ですよね。
それに五重塔の中の仏像は移籍したのですが、塔内に描かれた空海をはじめとした仏教絵画は消されていません。これが非常に妙。「仏教絵画は残ってるけど仏像を移設したから、これはもう仏教施設じゃないですよ」ってことなんです。おそらく「ここで手打ち。勘弁してやろう。大目に見てやろう」ってことなんですね。

でも、厳島神社の鳥居なんて、「赤い柱は仏教的だから、全部焼きすてろ」と明治政府から迫られて、一時的にですが厳島神社の鳥居は「白い柱」に成ったことがあります。それに比べれば、かなり「優しい対応」なんですよ。

なんでこんな対応なのか?

なんでこんな対応なのか?
おそらくですが、五重塔は「観光資源」だったのではないか?と思います。
五重塔は今で言う所のランドマークタワーだった。
もしかすると、厳島神社より五重塔の方が有名だったのかもしれない。
そうでないと上記の対応の違いが説明がつかないんですよ。
●厳島神社に寄進されたもの、という認識だったのかもしれない。
●厳島神社は戦国時代に大願寺・大聖院の管理下に置かれるようになっていて、五重塔は仏教施設で、その管理も大願寺だったが、そもそもは厳島神社に寄進されたものだ、という認識だったのかもしれない。

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