牛石

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牛石とは

大元神社の近くに有る牛のような形状の石。
本当に牛に見えるのかと言われるとなんとも言えない。
まとめ
大元神社の近くに有る大きな石。
●かつては海岸にあり、満潮時には海に浸かっていた。
●古社の近くには「石」があることが多い。これは石を神として崇めていた時代があるから。
●牛石は大元神社が相当な古社であることの証拠かもしれない。

牛石の意義

現在は内陸部にあるんですが、以前は牛石の場所が海岸で、満潮の時は牛石の半分が海水に浸かって、それが牛が体を洗っているように見えたとか。現在でも満潮時は水が牛石の周囲にしみて出てきます。つまり、このあたりの土は荒い砂ってことです。

というのも、この牛石がある大元浦は、1945年の枕崎台風で土石流が厳島神社の回廊や社殿に流れ込んだその土砂を移して埋めて作った陸地なんです。牛石が妙な形で残っているのは、そういう事情があるからです。

神社と磐座

古社には石がある
ところで、山口県下関市の忌宮神社に行くと、境内のど真ん中に「石鬼」という石があります。この石鬼は仲哀天皇が退治した塵輪鬼(ジンリンキ)を封じた石です。岡山の吉備津神社に行くと、神社の入り口に「矢置岩」という吉備津彦が矢を置いた石というのがドデーンと鎮座してあるんですね。他にも鹿島神宮・香取神宮には「要石」という石があるんです。

そんで大元神社の近くにも牛石がある。

現在の神社の形式は7世紀に整えられたもので、それ以前は違っていました。それ以前の神社がどういうものかは、よくは分かっていませんが、「磐座(イワクラ)」という石を神格化した信仰を取っていたことはわかっています。
私は牛石は大元神社ができる以前の信仰の名残じゃないかと思っています。

牛石の伝説

牛石の伝説・名前の由来
宮島に嫁いできた女性が、親族にいじめられて、その恨みから大元神社の木に藁人形を打ち付けて恨みを晴らそうとすると、山の中からどこからともなく牛がやってきて睨みつけました。その気迫で女性は気を失ってしまいます。気がつくと家に帰っていて、すべてを夫に話し、懺悔しました。その後、親族と和解しました。
大元神社に行くと、大きな石があり、それがどうも牛に見えたようなのです。それから牛石と呼ばれるようになりました。

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