8が縁起が良い理由

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8が縁起が良い理由

まとめ
●「八」が末広がりで縁起がいいというのは後付け。
●日本では伝統的に2と8が聖数字。
●聖数字とは、「最大値」だった時期が長く続くとそこで、その数字が後々でも特別に意味を持つこと。

厳島神社の回廊は8枚の板を敷き詰めている

宮島の厳島神社の回廊の板は柱と柱の間に8枚が敷き詰められています。板の幅は均等ではなく、まちまちなのですが、それでも柱と柱の間の床板はどこも8枚です。これは「8」という数字が縁起が良いから、とされています。ではなぜ8が縁起が良いのか??
末広がりで縁起がいい!のは後付け
よく漢数字の「八」が末広がりだから、縁起が良いというのですが、これは後付けです。その証拠が「八雲立つ」という歌にあります。

八雲立つ…

出雲の英雄、スサノオ
高天原を追い出されたスサノオは出雲に降り立つと、そこでヤマタノオロチを退治して英雄になります。スサノオはヤマタノオロチに生贄に出される予定だった奇稲田姫(クシナダヒメ)を妻にし、新たな住処で歌を歌います。

八雲立つ 出雲八重垣妻籠みに 八重垣作る その八重垣を
ヤクモタツ イズモヤエガキ ツマゴミニ ヤエガキツクル ソノヤエガキヲ
引用元日本最初の歌
http://nihonsinwa.com/page/245.html 

八雲とか八重とか、とにかく8という数字を特別視しています。つまり、相当に昔から「8」は特別視されていたってことです。でも、スサノオの神話が生まれた時代に「漢字」はまだ伝わっておらず「八」が末広がりだから縁起がいい、というのは理屈として成立しないのです。
では、どうして8が縁起がいいのか?と言いますと。

聖数字

どこの国にも数字があります。数字がないと生活に困るのですね。そこでまず「1」という数字が発明されて、「1」という数字が社会全体に行き渡ります。次に生まれるのは「2」です。ではどうやって「2」が生まれるのかというと「1+1」なんですね。で、次は「2+1」で「3」。「2+2」で「4」。という具合に徐々に数字が大きくなっていきます。しかし、この数字があるポイントで止まることがあるんです。例えば「3」で止まったとしましょう。すると「3」が「最大値」という時代が続くんですね。そうなると、その後、「4」「5」「6」と数字が大きくなっていっても「3が最大値」だった時代が長くあったものだから、「3」になんとなく「すべて」とか「無限」とか「最大」というニュアンスが付随することがあるんです。これを「聖数字」と言います。

聖数字の影響
例えば中国では3、5、7、9という数字が特別視されます。そういう感覚は日本にも引き継がれていて「3大なになに」とか「7不思議」という言葉が日本でも言われますよね。「学校の七不思議」なんて、七つなくても無理やりに七つにしちゃうのはなぜかというと「7」が聖数字だからです。ちなみに日本古来の聖数字は「2」と「8」です。インドは「4」。四天王という言葉はそのせいです。昔の朝鮮では「5」「25」。ギリシャは「3」。

もっと大きな聖数字

理屈では理解できると思うのですが、もうちょっと補足します。

上記の数字よりもっともっと大きくて「聖数字」の性質を持ったものがあります。それが「億万長者」です。仮に「1億円」を手にしても、現在では一生は遊んで暮らせませんよね。でも億万長者という言葉にはなんとなく「お金の最大値」「使い切れないほどのお金持ち」というニュアンスがあります。

「100万ドルの夜景」もそうです。
この「100万ドル」には暗に「お金では表せられないほど」とか「お金の最大値」というニュアンスがあります。でも100万ドルはとっくに「最大値」ではありません。現実にはインフレが進んでいて大金だけど想像のつく金額です。でも、なんとなくそう思っていますよね。

もう少し小さめの聖数字
では逆にもうちょっと小さな数字を探してみましょう。
それが「百科事典」「百貨店」です。
この「百」には「すべて」というニュアンスがありますよね。百科事典には100以上のことが書いてありますし、百貨店も100以上のものが陳列してあります。でも「百」なんです。それは「百」に「全て」「最大」というニュアンスがあるからなんです。

そういう「億」「万」「百」のようなポジションにかつて「8」が座っていたんです。そういう時代が日本では長く続いた。だから8は特別視され、縁起の良い言葉になったんです。そういう意味を理解した上で、厳島神社の回廊を歩いてください。「永遠に続く…壮大な回廊なんだ!」と平安時代の人たちが私たちに伝えているんじゃないか?と思います。

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