厳島神社の見どころ・観光ポイントのまとめ

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厳島神社の見どころ・観光ポイントのまとめ

まとめ
大鳥居
●海上神殿としての厳島神社
●歴史の舞台としての厳島神社
●文化の中心地としての厳島神社
●観光地としての厳島神社

大鳥居

チェックするべき観光ポイント
●干潮時は大鳥居のところまで徒歩で行ける。
●満潮時は大鳥居の下を船で通るサービスがある。
●船で鳥居の下をくぐるのが「正式」な参拝ルート。

真っ赤な大鳥居
朱の大鳥居とも言われる厳島神社の鳥居は砂浜の上に「置いてある」だけです。現在は鳥居の下にコンクリで土台があるんですが、戦国時代に立てられたときは砂浜の中に木を埋めて鳥居が安定するように工夫していました。
色んな秘密があるんですが、細かいことは
のページからどうぞ。
歴史的な色んな知識がなくても、この大鳥居は圧巻。これだけの大きな鳥居が海中にあることが凄い。素直に驚くヒキの強い観光ポイントです。

干潮であれば大鳥居の真下まで「歩いて」いけます。でも、満潮で大鳥居の下を船でくぐって厳島神社に参拝するのが「公式なルート」ですから、干潮時の参拝はいわば邪道。よって潮が満ちているのも悪くない。いや、満潮の大鳥居・厳島神社の光景も一見の価値あり。ちなみに干満は6時間で変わるので1日宮島に滞在していれば大鳥居の二つの姿を見られます。できれば一泊二日以上で滞在して欲しいですね。
●潮が満ちているときは櫓櫂船で鳥居の下を通るサービスがあります(有料)。

海上神殿

チェックするべき観光ポイント
●満潮時には海上神殿になり、干潮時には砂浜の神殿になる。どちらも一見の価値あり。
●現在の厳島神社が海上神殿なのは浄土教の影響からだが、平安時代(12世紀)に修造される以前からこの場所に厳島神社はあったらしい(つまりそれ以前から海上神殿だった)。

海上神殿としての厳島神社
厳島神社は平安時代(12世紀)に赤い海上神殿として修造されました。厳島神社自体はそれ以前から存在していて、どうやら平安時代以前も海上神殿だったようです。それがどの程度の規模だったのかは分かりませんけど(当然、現在のような規模ではなかったはずです)。

歴史の話はともかくとして、海上神殿…しかも木製のはなかなかインパクトがあります。できれば満潮時に見にいくと良いです。干満は6時間で入れ替わるので1日滞在するか、一泊二日滞在すると良いです。
どうして海上神殿か?
12世紀に海上神殿として修造されたとき、厳島神社は「仏教的な建築物」で、浄土教の影響を受けたものでした。浄土教というのは来世で「極楽浄土」に生まれ変わろうという考えで、極楽浄土に生まれ変わるためには極楽浄土をできるだけ詳細にイメージする必要がありました。そのためには極楽浄土がどんなものかを知っていないといけません。なので「極楽浄土に生まれ変わりたい金持ち」は極楽浄土を体現した建築物を作るようになります。それが宇治の平等院鳳凰堂です。厳島神社はその極楽浄土を体現した建築物の一つです。
海上神殿なのは極楽浄土が「海の向こうにある」とか「蓮の上にある(つまり水上)」とされるからです。平等院鳳凰堂も池の上にあるように見えますよね。
●12世紀の修造は浄土教の影響を受けているが、それ以前に海上神殿だとするならば浄土教とは関係ないです。「海の神を祀る」神社だったから海上神殿だったのだと思われます。

歴史の舞台

チェックするべき観光ポイント
●厳島神社は信仰だけでなく、貿易中継地として発展した。歴史的に重要な神社。だからこそ平家物語、厳島合戦の舞台となった。
●平家物語を読んで見にいくと宮島は楽しい(ここ大事)。

歴史の舞台としての厳島神社
厳島神社は推古天皇の時代に創建され、平安時代には平家物語で重要な役割を果たし、戦国時代には文化と貿易の中心地となり、江戸時代は観光都市(かつ風俗島)、明治維新の廃仏毀釈を乗り越え、日清日露戦争時には「戦の神」として崇敬され、戦後は戦争の反動でかつて天皇と敵対した平家が再評価されたことで注目されました。
個人的には、社会の変化に揉まれ、形を変えても消えることのなかったこと、それが厳島神社の一つの価値なんだと思います。この歴史的な価値については書くとキリがないのですが、歴史をちょっとでも知っているか知らないかで宮島・厳島観光は面白さが全然違います。厳島神社・宮島に観光に行く前にできれば平家物語をサラっとでも良いので読んでおくと面白いです。
●厳島神社は平家物語のゆかりの観光ポイントが多い。これは江戸時代まで平家物語が一般庶民の常識としてあったから(歌舞伎の題材として平家物語が多いのもそれが原因)。

文化の中心地

チェックするべき観光ポイント
●厳島神社は文化が集約されている。
天神社(連歌堂)…連歌会をしていたお堂。
能舞台
高舞台…舞楽を演じる場所。
平舞台

文化の中心地としての厳島神社
厳島神社には能舞台高舞台と能や舞楽を演舞・演奏する場所があります。厳島神社での舞楽は宗教儀式に必要なものという面もありますが、文化的なものでもあります。宮島では戦国時代に入ると連歌会を催すようになります。連歌会を催すと地域のインテリを集めることになり、必然、有力者が集まり、情報が集まるようになります。
文化とは「政治的」でもありました。武将たちが和歌を読んだり、茶器を集めるのは別に「酔狂」ってことじゃなくて、文化を分かっていることが武将の素養として求められたからです。文化と武力の両方を抑えてこそというのが理想の権力者像でした。だから、文化振興に大名はお金を投じた。
天神社は毛利隆元(1556年)。能舞台福島正則(1605年)。高舞台は戦国時代の厳島神社の権力者である棚守房顕(=現在の厳島神社の神主の先祖)によって作られています。そういう文化を重んじる感覚が厳島神社には集約されています。
●高舞台・平舞台は戦国時代に作られているが、そこで舞う「舞楽」は平安時代から厳島神社にはある。
●舞楽は現在でも神事で舞う。
●能も厳島神社のイベントで演じられる。

江戸時代からの観光地

チェックするべき観光ポイント
●厳島神社は江戸時代以降は観光地だった(戦国時代も観光地だったと思われる)。
本社本殿に祀られている宗像三女神は戦国時代の終わりに祀られた。もともと祀られている正体不明の伊都岐島大明神より、日本神話に登場する宗像三女神の市杵島姫神の方が人気が出そうだという判断があったのだと思われる。つまり、神社には観光経営の感覚があった。
●現代でも通じるマーケットを読む感覚は凄い。

観光地としての厳島神社
厳島神社にとって信仰とはつまり「利益」です。信仰する人が多いということは参拝し、寄進・寄付が多くなる。ってことは信仰=金です。昔は平清盛などの平氏や、戦国時代の大内・毛利などの権力者が崇敬することで大きな利益を得ていたのですが、貨幣が流通するようになると、一般庶民もお客(=信者)のターゲットになります。

宮島は江戸時代からは観光地・歓楽街(=風俗街)として発展します。多くの庶民が観光・参拝をしています。明治以降は戦の神として崇敬され、戦争に行く若者がしゃもじに祈願して奉納するようになります。
●戦の神の性質は平安時代にはあったので、明治に突然生まれたわけじゃないですが。

参考
江戸時代の厳島神社の廻廊と絵馬(江戸時代には厳島神社の回廊に絵馬がかけられていました。それも観光の一部でした)
千畳閣の柱はなぜ傷だらけか?しゃもじは厳島神社に奉納されていましたが、千畳閣の柱に飾られていました)

ところで現在の厳島神社には宗像三女神(主に市杵島姫神)が祀られている(ことになっている)のですが、この宗像三女神が祀られるようになったのは戦国時代の終わりです。なぜ宗像三女神が祀られるようになったのかというと、宗像三女神がアマテラスとスサノオの誓約で生まれた日本神話ではメジャーな神で、もともと祀られていた伊都岐島大明神(イツキシマダイミョウジン)と宗像三女神の市杵島姫神(イチキシマヒメカミ)の名前が良く似ているからです。
でも、普通はそんな理由で神様を変更するのはおかしいですよね。要は正体不明の伊都岐島大明神より、日本神話に登場する市杵島姫神の方が「信仰されやすい」という判断があったからです。つまり、戦国時代から厳島神社には「観光経営」感覚があったのです。
●千葉にあっても東京ディズニーランドと似たような動機です。千葉ディズニーランドじゃお客さんが来ないでしょう??

古代の謎

チェックするべき観光ポイント
●厳島神社は古代の日本の風習感覚を残している。
内侍(巫女)は江戸時代まで世襲で継続していた。
●海上神殿も古代の感覚の名残かもしれない。

女系の内侍が江戸時代までいた
厳島神社では巫女(内侍)が権力を持っていました。内侍は明治に入ってなくなり、現在はいません。その内侍は世襲で母親から娘に権力が委譲される「女系」でした。
日本の正史である日本書紀では天皇の妃とのその出自が書かれているんですが、ちょこちょこと母親の名前しかない場合があります。どうやら古代の日本では女系は珍しい慣習ではなかったよう。

また、日本書紀には川の中州や海の中での儀式が描かれていて、厳島神社の海上神殿もそういう感覚を引き継いだものなのかもしれません。
●赤い柱の現在の神殿は浄土教の影響があるのですが、それ以前の厳島神社がこの海上にあったのであれば、古代の日本の風習を引き継いだと考えるのが自然。
●はっきりとはしていないが、厳島神社の近くで古い社殿の跡があり、12世紀以前から海上神殿だった可能性は高い。

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