棚守房顕覚書135 島中禁制のこと

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棚守房顕覚書135 島中禁制のこと

一つ、島中の禁制のことです。布を織る機、矩則をもっぱらいめしめる。当時は、家の内、軒の下にて織っていました。是非に及ばざる次第です。左様である故に、狐狼など在島の時に、勿体なき次第。

宮島では布は織ってはいけない

宮島では布を織ってはいけないようでした。そういう法度(=ルール)だったようです。その理由はよく分かりません。ところが島民は法度を守らず、家の中や軒下で布を織っていました。それが「是非に及ばず」でした。是非に及ばずってのは、良し悪しについて言及するまでもない!って意味ですが、要は意訳ではありますが「布を織っていたけどさ、とんでもないよね」ってことです。とはいえ、生活する上で布は欠かせないもの。現在のように買えば済むものではありませんから(それでは不足する)、家々で布を織るのは仕方のないことでしょう。

狼や狐がかつては宮島にいましたが、大内が罠を仕掛けて殺してしまいました。棚守としては島で狐や狼を殺したことは「宮島の法度を犯した」という考えでした。神のルールを大内は破った。
棚守としては完璧に法度を守って欲しいと思っていた。狐狼が宮島にいた時…つまり宮島で動物殺しをする前は、法度を破っていなかったのかというと、そういうわけじゃなく「布を織る」という法度を破っていた。それが棚守は納得いかないらしいのですよね。

大内は別に法度を破るつもりだったわけじゃなく、人が生活する上で「狼」を放置することは出来なかったのでしょうね。宮島は少なくとも室町時代の後半以降は商船の航路の要衝だったので、人の安全を保つことは大名の大内にとっては大事なことだった。というか、人間の安全を守ることは、税収・統治に関わる大事なことだったのでしょう。

しかし、大内は滅んだ。
棚守はハッキリとは書いてないんですが、大内が滅んだのは狐狼を殺したため…つまり厳島大明神の…宮島のルールを破った祟りだと思っていたんじゃないでしょうかね。
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