御烏喰式(オトグイシキ)…宮島の御島巡りの神事…内容と由来など

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御烏喰式(オトグイシキ)

御島巡りのメインイベント
御島巡りで行われる儀式。御島巡りのメイン。最も大事な儀式。養父崎浦神社で行われます。御島巡りは「七浦七恵比寿」とか「七浦拝所」と呼ばれる神社を巡ります。その途中で養父崎浦神社に立ち寄り、6個の粢団子(シトギダンゴ)と御幣を置く「イカダ」のようなものの上に載せて、海に流すと、どこからともなくカラスがやってきて団子を持っていきます。持って行く年もあれば、一つも持っていかない年もあります。カラスを待っている間は船で神職の人…神社の関係者さん…が笛をピーヒャラ吹いています。
養父崎浦神社七浦拝所の一つではありません。
七浦拝所ではないのに、御島巡りのメインイベントを行う神社になっているのはちょっと不思議。

幸運を占う儀式

この粢団子を何個持って行くか? で参加者の「幸運」を計ります。結果には参加者の日頃の行いがこの結果を左右します。参加者は前日から肉食せず、香りの強いものは食べないようにし、生理の人はダメ、出産直後もダメです。
●肉と生理と出産は「血が穢れている」からです。日本の神は穢れを嫌います。
●香りの強い食物は魔を払うとされます。日本人にとって神と鬼と魔の境目はほとんどありません。香りの強い植物が神であるカラスを寄せ付けなくなるという感覚があるんでしょう。

儀式の由来

厳島神社を創建した佐伯鞍職が、宗像三女神を因賀島(宮島の古い名前)を案内した時に、カラスが案内したとも言われるのが御烏喰式の由来です。

個人的解釈

私の考えなんですが…
厳島神社に伝わる伝承によると593年に創建した、とあるのですが、これが史実かどうかはなんとも怪しいお話です。宗像の女神は9世紀までには厳島には祀られていますが、厳島神社に祀られているかは分からない。12世紀の清盛の時代には厳島神社に祀られていますが、この時はメインに祀られてはいません。つまり、宗像三女神が6世紀の時点で厳島神社と関係していたとは思えません。だから「宗像三女髪をカラスが案内した」というのは後の時代に作られた伝承のはずです。
カラスが案内したことは実際に古い伝承ではないか?
しかし、厳島神社がどうかはともかくとして、厳島(宮島)が、かなり古い時代から特別視されていたことは間違いありません。そう考えると、神武天皇がヤタガラスに案内されていますから、「カラスが案内した」というのは実際に古い伝承なんじゃないかと思いますので、御烏喰式は実際にそれなりに古い感覚を基にした儀式だと私は考えています。
●平安時代に厳島神社に祀られていた神は現在とかなり違います。客神社に祀られている神や宗像三女神は、古事記や日本書紀に描かれた神でかなりメジャーなもの。カラスも古事記・日本書紀に登場しますので、似たように取り込まれたということもあるかも。
●でもヤタガラスって有名ではあるんですが、神事や祭神としてはメジャーではないので、カラスを取り込むってあるのかな?とは思います。


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