厳島弁財天

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厳島弁財天

まとめ
●かつて厳島神社の本殿に祀られていた像。
●明治の神仏分離で厳島神社から大願寺に移設された。
●秘仏とされ、現在でも6月17日にだけ開帳される。
●小さい。
●八本の腕には武器が。
●写真撮影禁止

厳島弁財天について

厳島神社の現在の神は宗像三女神で、その中心的存在の市杵島姫神(イチキシマヒメカミ)は弁財天と習合し、同一とされています。その弁財天の像が明治まで厳島神社の本社本殿に祀られていました。当時も秘仏で、参拝者には公開されてはいませんでした。

それが明治維新の神仏分離で厳島神社から追い出されて、もともと厳島神社の修理を担当していた大願寺に移設されました。大願寺と厳島神社はそもそも関係の深い間柄でしたから移設は何ら不思議ではないです。

この厳島弁財天の像は毎年6月17日に一般に開帳され、見ることができます。行列ができるほどの大人気です。店も出るし、太鼓演舞もあります。お祭りですね。6月17日に開帳されるのですが、旧暦6月17日が「管弦祭」だと考えると、昔は、管弦祭の時に公開していたのかな?(そんな事実はないけどさ)

いつから祀られていたか

厳島神社に弁財天が祀られたのはいつか
厳島神社の現在の神は宗像三女神なんですが、それは戦国時代後期以降の話で、それ以前は伊都岐島大明神(イツキシマダイミョウジン)という宗像の市杵島姫神とは名前が似ていても違う神さまでした。
●平安時代末期に厳島神社が海上神殿に造営されたときは伊都岐島大明神

弁財天がまつられ始めた時期はハッキリとはしませんが、戦国時代の末期から江戸時代にかけてです。戦国時代(1571年)の厳島神社の修造による遷宮(神様を移動させること)のリストに弁財天っぽい記述はないのですが、その後の厳島神社の財政の記述の中には「秘仏」の経費についての記述があるので1571年以降の何処かで現れたようです。

武神という性質

厳島弁財天とは何か?
応仁の乱以後、京都は荒れ果て、公家は仕事を失いました。それで公家たちは地方へと仕事を求めて出稼ぎに行きます。なんの仕事かというと、京都の文化を売るのです。それは和歌・連歌・書物・蹴鞠などの伝統的な公家文化です。これらを売りに地方に下りました。地方は京文化の憧れが強く、これらをとても歓迎しました。すると地方の「京化」が始まります。
おそらく厳島神社が宗像三女神を主祭神に据えるのは、アマテラスという天皇の先祖とつながりの深い神だからでしょう。厳島神社の客神社が皇統へとつながるオシホミミなどを含む五男神であるのもそういうことです。

そんな京文化の中に「弁財天信仰」というのがありました。当時は琵琶湖の竹生島が有名でした。弁財天=厳島神社の神としたのは、この京都の流行りを取り入れた結果だと思われます。
伊都岐島大明神は女神なのも弁財天と習合した理由だと思われる。


厳島神社は軍の神だった
さて、一方で平安時代に遡ります。
後白河上皇が今様というものを歌っていて、その中で厳島は「軍神」だと言っているんですね。弁財天が武器を持つ軍神なのは、おそらく平安時代から「厳島神社の神は軍神」というイメージから来ているんじゃないか?と思われます。

●そう考えると、のちの「源氏の八幡神社」に相当するものが、「平家の厳島神社」に当たる。そういう認識があったんじゃないかと思うのです。もしかすると源氏は清盛の手法を踏襲したのかもしれません。
●弁財天像に8本の腕があるものはよくある。その腕には八つの武器がある。これは厳島神社のオリジナルというわけじゃないです。

厳島弁財天の意味

厳島神社の神様は平安時代から「観音菩薩」と習合していました。厳島神社の本社本殿の裏にはかつて本地堂という観音菩薩を祀るお堂があったのですから、伊都岐島大明神=観音菩薩なのは間違いない。
では、弁財天はなんだったのか?
実は弁財天は、厳島神社の本社本殿内に「あった」のです。秘仏として誰にも見せないようにしていた。誰でも参拝して見れる本地堂ではなくて、です。この扱いの意味は意味不明です。神道の存在は本社本殿、仏教の存在は本地堂なら分かる。弁財天は間違いなく仏教的な存在なのに本社本殿に祀られていた。これはどういうことか。

個人的な推測
厳島神社は昔から女神が主祭神です。この女神であること、昔からの戦神であること、厳島神社が平安時代以降、仏教的な側面を持った存在であること、そして当時、弁財天信仰が京都で流行していたこと。これらの様々な要素を組み合わせたものが「弁財天」だったのではないかと思います。形にすると弁財天だった、ってのが本当じゃないかと。これを誰かが製作した。
おそらくは棚守房顕かなと。

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